C-b 「家族になりたい」
ルディ
「アタシ、リュシーの家族になりたい」
リュシー
「え…」
リュシーの顔が、明らかに動揺していた。
リュシー
「家族…?」
ルディ
「え、あ…えーっと…ごめん、変なこと言っちゃったかな…?」
リュシー
「いや、別に、……変だけど」
ルディ
「変なんじゃん!」
リュシーは嬉しそうに笑った。
リュシー
「家族ね。いいね、家族。すごくいい」
ルディ
「ホント!?」
リュシー
「ルディとだったら、家族になりたいな」
リュシーはニヤリと笑って言う。
リュシー
「結婚しちゃう?」
ルディ
「!?!?!!!」
突然の言葉に、吹っ飛びそうになる。
ルディ
「え?!?! け、結婚!?」
リュシー
「うん、結婚」
ルディ
「でも、アタシ、女…」
リュシー
「関係なくね?」
ルディ
「子供、とか…できないけど…?」
リュシー
「あんまそういうの興味無いな〜」
ルディ
「えっと…」
リュシー
「ルディ、アタシと家族になりたいんでしょ? じゃあもう結婚しちゃおうよ」
ルディ
「け、結婚は!なんかいきなりというか…!!」
リュシー
「ん〜そっか。じゃあまずはお友達からってやつ?」
ルディ
「まぁ……うん」
リュシーはニッと笑った。
リュシー
「オッケー。じゃあ早速、お友達から恋人に昇格しちゃおっか」
ルディ
「へ?」
リュシー
「こっちおいで!」
そうして。
あれよあれよと。
連れてこられたのは、ホテル。
客室にて…
ルディ
「ちょっと待ってええええええ!!!!」
リュシー
「えー、なんだよ。ここまで来たんだろ。覚悟決めろよ」
ルディ
「ま、待って!! マジで、心の準備とかそういうの、マジでできてないからああああ!!!!」
半泣きのアタシを押し倒すリュシー。
リュシー
「大丈夫だって。痛くしないから」
ルディ
「そういう問題ではなくううう!!!」
リュシー
「どういう問題なんだよ」
ルディ
「えっと、えっとお…!!!」
顔が熱くて、頭の中がぐるぐるする。
アタシは絞り出すように言った。
ルディ
「ま、まずは…手を繋ぐところからで…」

リュシーは一瞬ポカンとしていたが、吹き出すように笑った。
リュシー
「ルディったら、お子ちゃまかよ」
ルディ
「うぅ…////」
リュシーは押し倒した体勢のまま、アタシの右手を握ってくれた。
指を絡ませる恋人繋ぎ。
目と鼻の先には、アタシをニヤニヤと見下ろすリュシー。
アタシは恥ずかしくて目を逸らした。
リュシー
「なんで目ぇ逸らしちゃうの?」
ルディ
「いや、その…」
リュシー
「こっち向いてよ」
アタシは
a、リュシーを見た。
b、目を瞑った。