C-b-b 柔らかい何かが

【C-b-bを選ぶ】



アタシは目を瞑った。

瞼に、ちゅ、と、柔らかい何かが優しく触れた。





ルディ
「え…?」





アタシは目を開けて、リュシーを見る。

リュシーは優しそうに笑っていた。





リュシー
「ごめんね。怖かった?」



ルディ
「こ、怖いわけじゃないけど…その…」



リュシー
「優しくするから…って言っても、強引にやっちゃ意味ないか」





リュシーはアタシから離れた。

アタシは…何故だろう。




後悔した。




リュシー
「なんかルームサービスでもとる? ケーキとかあるみたいだよ?」





リュシーはさっきまでの雰囲気なんて無かったかのように、ベッドに腰掛けてルームサービスの表を眺める。

その背中をアタシは見ていた。

見ていて…




リュシー
「!」





後ろから、リュシーに抱きついた。





ルディ
「ごめん、リュシー…」



リュシー
「無理すんなよ」



ルディ
「今は、まだ、心の準備ができてないけど…いつか…」



リュシー
「うん、いつか、ね」





後ろから抱きつくアタシの手に、手を添えるリュシー。





リュシー
「待ってるよ。ルディ」





+++++





数年後。

浅瀬の階の海の中…





盗賊団ボス
「結婚おめでとう、リュシー」



盗賊団員A
「おめでとう。身内だけの結婚式だけど、華やかに送り出すからね」



盗賊団員B
「あーあ〜。もうリュシーとあんなことやこんなこともできないかと思うと、残念だが…結婚おめでとう!」



リュシー
「みんな、ありがとう」



ルディ
「ありがとうございます!」





アタシは人魚になって、リュシーと結婚した。





盗賊団員B
「しかしよぉ、花嫁と花嫁の結婚式ってのも良いもんだなぁ。間に挟まりたいぜ」



リュシー
「お前が挟まる隙間なんか無いよ」笑笑





リュシーはアタシを抱きしめる。





リュシー
「な? ルディ?」



ルディ
「えへへ。うん、リュシー」





リュシーは愛おしそうに言った。





リュシー
「やっと、アタシに家族ができた。大好きな家族」





アタシの心は温まる思いだった。



少人数での小さな結婚式。



アタシとリュシーは、末永く幸せに暮らしたのだった。





END【大好きな家族】
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