A-b-c 秘密の言葉
ルディ
「ンセアサヘヘエ・スデレズハハトウルノコ!」
言えば、恋花から白い閃光が勢いよく放たれ、暗雲を貫いた。
みるみる、暗雲は散っていき、元の青空が見える。
ルース
「やりました! 成功です!!」
ルディ
「え、えーっと…」
ルース
「ルディ! アルシデの世界は救われたんですよ!」
ルディ
「そ、そうなのか…」
一体何が起こったのか理解できないまま、アタシたちは世界を救ったようだ。
ルース
「よかった…一時はどうなるかと…」
ルディ
「う、うん…」
ルース
「ルディの協力のおかげです。ありがとうございます。非真性不可逆ドップラー衛星と暗黒ウォーターが、これで真性不可逆相対性関係になれた」
ルースは達成感のある晴れ晴れとした顔をして空を仰いでいた。
ルディ
「あのー…ルース?」
ルース
「なんですか?」
ルディ
「アタシ、夢でも見てるのかな? さっきからルースの言ってることが、何一つ分からないんだけど?」
ルースは微笑む。
ルース
「いいんですよ、ルディ。これが僕らで言うところの、真性不可逆相対性関係というものです」
ルディ
「………」
ルース
「なんだか、困難を乗り越えて、ルディとは真性不可逆相対性関係が深まった気がします」
ルディ
「………」
ルース
「これからも、僕と真性不可逆相対性関係でいてください」

ルディ
「あー………………うん」
ルースは、今まで見た中で一番の笑顔を見せた。
アタシはもはや、自分がどんな顔をしているか、分からなかった。
END【真性不可逆相対性関係】
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