B-b パンツを隠せ

【B-bを選択】



ルディ
「今からでも、ギルバートって呼んでもいい?」






アタシの言葉に、ギルバートは目を丸くした。

そして、優しく微笑む。





ギルバート
「いいよ。ルディ」





もう一度名前で呼ばれる。

どうしよう。

顔が熱い。

こんなの、初めてだ。





ルディ
「ねぇ…」



ギルバート
「ん?」



ルディ
「ご飯、食べたらさ…どこ行こっか…?」



ギルバート
「そうだなぁ。ルディの行きたい所だったら、どこでも連れて行ってあげるよ」



ルディ
「じゃあさ…その…2人っきりになれる、静かな場所…とか…」



ギルバート
「!」



ルディ
「ダメ?」





この時のアタシは、多分上目遣いだったと思う。

ギルバートは困ったように笑っていた。





ギルバート
「静かな場所か。連れて行ってあげてもいいが…」



ルディ
「や、やっぱりダメ?」



ギルバート
「ルディ。少し冷静になった方がいいぞ?」



ルディ
「え?」



ギルバート
「会ったばかりのおじさんと、2人っきりになるなんて…私だからまだいいが、他の男だったら、危険だぞ」



ルディ
「それはそうかもしれないけど…アタシだって、その辺の男に簡単について行くほど、馬鹿じゃない!」





語気を強めたアタシに、ギルバートは驚く。

アタシはギルバートを真っ直ぐ見る。





ルディ
「相手が、ギルバートだから…」



ギルバート
「うーん…」





ギルバートは、完全に困った様子だった。

そんな。

アタシはこんなに本気なのに…





ルディ
「ギルバートは…アタシのこと…好きじゃないんだね」



ギルバート
「ルディ?」





アタシは俯く。

目頭が熱い。





ルディ
「いいよ…! 本気になったアタシが馬鹿だった!!」





言い切るか否か。

アタシは席を立って店から飛び出した。


ギルバート
「ルディ!!」





背後からギルバートの追いかけてくる声が聞こえる。





ギルバート
「待つんだ! ルディ!!」



ルディ
「追いかけてくるなぁ!!」





道なんて分からないけど、アタシはとにかく走った。

だんだん足が疲れてきた。

と思った瞬間。





ルディ
「わあ!?」





足がもつれて、倒れ込んだ。





ギルバート
「ルディ!」



ルディ
「いったたた…」





振り返れば、ギルバートがいた。

でも、様子がおかしい。

アタシから目を逸らしている。





ルディ
「なんだよ! 人から目ぇ逸らして!」



ギルバート
「いや、あの…スカート…」



ルディ
「へ?」





見れば、スカートがめくれて…パンツが見えていた。




ルディ

「ああああああああああああ!!!!!!」



ギルバート
「ルディ! 落ち着くんだ! 私は何も見てな…」



ルディ
「見ただろうがぁああああああ!!!」





アタシはスカートを直しながら、地面を転げ回る。





ルディ
「うあああああ!!! み、見られたぁあああ!!! お嫁に行けないいいいい!!!」



ギルバート
「お嫁には行けると思うが…」



ルディ
「うっせ!!! ギルバートはアタシのこと、お嫁になんか貰ってくれないだろ!!! アタシは本気になったのに!!!」



ギルバート
「ルディ…」





ギルバートは転げ回るアタシに手を差し伸べた。





ギルバート
「ひとまず、起きよう? な?」



ルディ
「うー…」





アタシはギルバートの手を取る。

硬くて暖かくて、大きい手だった。

起き上がれば、握った手をそのままに、ギルバートは言う。





ギルバート
「すまない。ルディをその気にさせてしまって」



ルディ
「ホントだよ…ギルバート、人のこともてあそび過ぎだ…」



ギルバート
「悪かった」



ルディ
「責任、取ってくれよ…」



ギルバート
「どうしたらいい?」



ルディ
「そこまで言わせるのかよ…」



ギルバート
「いろんな責任の取り方があるから」



ルディ
「じゃあ…今日だけでいいから、アタシの恋人になってよ…」



ギルバート
「…わかった。今日だけ、な」





ギルバートは了承してくれた。

でも、その後はなんだかお互いギクシャクしてて…

全然楽しくなかった。

時間の流れが遅いなぁって思いながら、夕暮れ時を迎えた。



ギルバートは最後に、海辺に連れて行ってくれた。

海辺は、恋花を交換するカップルで賑わう。





ギルバート
「なぁ、ルディ」



ルディ
「なに?」



ギルバート
「最後に、花流しをしないか?」





花流し、か…

恋が成就するって言われてるけど。

今日だけの恋人に対して、成就も何もあるんだろうか…

アタシは言った。





B-b-c、「うん、する…」

B-b-b、「ううん、やめとく」
×
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。